鬼の跫音

小説

 知り合いに読んでる小説を聞くことがよくある。多くの場合、素敵だと尊敬する方だ。さて、道尾秀介のこの本を読んでいると教えてもらった。

 6つの短編を集めた文庫本。どれもゾッとする最後を迎える。読んでいる途中で結末が想像できる部分がある。そこからがゾクゾクする。予想した結末に向かっていくからである。直接は言葉として伝えず、その状況を想像できるような書き方をする。そのイメージだけを残して、物語は終わる。なんとも不思議な感覚。

 僕は根っからの怖がりだが、怖さの種類が違うように思う。人が殺されるサスペンスであるが、殺されたことに注目されない。登場人物たちの心の部分が注目される。だから怖い。鬼は人の心に住むのか、それとも普通を鬼に変えてしまう瞬間があるのだろうか。

 さて、これを紹介してくれた人はどんな感覚でこの小説を読み進めたのだろう。それを考えるのが次の楽しみだ。

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