祈りの幕が下りる時

小説

 切ない思いを残す小説であった。東野圭吾の加賀恭一郎シリーズである。感情を出さず冷静に乱れない強い男とは、その背景に大きな闇を抱えながらも曲がらずに生きてきた強さなんだと感じる。

 原発に対する記述に多少の嫌悪かんを感じながら、人も醜さを垣間見る。親とは、こんなに苦しくも愛の溢れるものなのかと読みながら心につっかえる。

 日本橋にある橋が持つ意味や有名になる娘の後ろにある暗い影。女優はどこまでも女優である。読み終えて、小説であるきとを確認しながら…モヤモヤと向き合う。

 東野圭吾あっぱれ。

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