嫌われる勇気を読んでアドラーに触れた僕はもっと知りたいと思う気持ちから同じシリーズのこの本に出会った。嫌われる勇気に登場した青年が教師となり教育における失敗からアドラーを悲観し、また哲人のもとにやってきたのである。
そしてここで教育のあり方について、人生のタスクについて、仕事とは、交友とは、最後に愛とは何かを突き詰めていく。
その過程における疑問や受け入れがたい感情が本当によく分かる。そして最後にすべてが一直線上に並び、自分自身の課題として現れてくる。
本当の自立とは何か、そしてなぜこんなにも難しいのか、自己中心性からの脱却のために他者を愛し「わたし」ではなく「わたしたち」となりその先に共同体感覚がある。
ただただ教育学かと思うところから、生き方や幸福論へと繋がり、嫌われる勇気の内容はどんどん掘り下げられていく。
なんとなく読み進めるごとに、勇気付けられ、次なる方向へと向かう一歩を感じさせてくれた。そして大切なことは一歩で終わらせないことである。最高の別れのために今を真剣にいきる。そして不断の努力を続ける。
自分にできるかはわからないが、やってみようと思わせる大きな力をくれたと実感している。アドラーのよき実践者となりたい。
何かに出会うのは運命ではない。この本に出会ったのも運命ではない。しかし、運命であったと思える決断をしたい。そして、将来振り返ったときにこそ運命を感じたいと思う。
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