里親になりませんか 改訂版 子どもを救う制度と周辺知識(吉田菜穂子)

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 家庭科の内容を学ぶ中で、里親に興味を持つようになった。実子がいるので特別養子縁組をとなれば、ハードルは高い。しかし、日本には社会的な養育が必要な子どもたちのほとんどが児童養護施設にて生活をしている。欧米では基本的に里親による家庭での養育が行われている。そして日本も近年その社会的な養育の方法を家庭へと移す方向へと舵を切った。確かに最近、里親募集の広告をよく見るようになったと感じる。

 今回の本は、「里親」に関するその周辺知識をしっかりとまとめられている。興味を持って読んでいくと、これだけの援助を受けることができるなら挑戦してみたいと感じるほどである。もちろん第一の目的は社会的な養育を必要とする子どもたちが家庭の中で安心して心身ともに健やかに成長することである。子どもがいない家庭が、子ども欲しさに行うものではない。そういう目的がスタートラインで行われる特別養子縁組などもあるだろうが、最終的には子どもが幸せになれるということが大事だ。

 そして、里親とはどこまでも別に親権を持つ親がどうしても育てることができない子どもたちを一時的に預かり、いずれは本来の親の元へ戻していく一時的な取り組みである。一時的とはいっても数か月かもしれないし、数年かもしれない…中にはそのまま里親の家に住み続ける子どもたちもいるようである。養父や養母がその子にとって生物学的な意味での親よりも安定的な愛情を注ぐことができるということになる。

 もちろん0歳から18歳までのどの年代の子どもが里子として来てくれるのかはわからない。ある日突然、児童相談所から委託の解除を行われることもあるようである。そういったうまくいったことから、うまくいかないパターンや、そういったときに支えてくれる組織や法律についても詳しく書かれている本であった。里親に興味を持った時にまず読んでみると、その全体像が分かる内容であるとともに、里親の難しさややりがいを垣間見ることができる内容であった。

 先日、妻に里親をやってみたいといってみた…否定的な反応はない。でも、心配事はあるようだった。この本を読んでみたらその多くは解決すると思うが…本を読むような妻ではない…。ちょっとイベントにでも連れて行ってみようと思う。

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