評伝 岩崎彌太郎

ノンフィクション

幕末から明治を駆け抜けた三菱の創業者岩崎彌太郎の伝記である。
著者が三菱関係の方のようなので悪くは書かれていない。
今は三菱自動車がリコール隠しや燃費不正でいよいよ危険な状態であるが、三菱の大本は海運業であった。
時代の流れをみると、公的な海運企業であったものを土佐藩の都合により民間業者にする必要がでた際に白羽の矢がたったのが彌太郎である。
下級武士の出であるが学問により名をはせ、時代に乗って好機を逃さずにワンマンで三菱を築いていく。若かれし頃の失敗には反省するが、納得できぬことにはしっかりと抵抗する姿は頑固であり経営者である。しかし、さすがは武士の出であるため、企業理念は国家のためであり、民業を歩むようになってもその姿勢は変わらなかった。学問を重んじ、当時は商売するのであるなら学問よりも実践というところであるが、大学出の学問に通じた者に、実践を教えた方が早いと他人を育てた。
彌太郎の子である久彌や彌太郎弟の子である小彌太の育て方は自分の身の回りの事は自分でやらせ、同世代の者と寮生活をさせ学ばせている。当時の大金持ちであっても甘やかすことなく育てられた。この次代の者たちにより彌太郎の築いた三菱は磐石となっていく。
なんとなく官業から民業へと変化させ、時代のニーズの中で巨大企業を作り上げたワンマンな経営者は現代でいうJR東海をイメージする。
これまで読んできた起業家たちに共通するのは、人を育て、国家を育てること、私事ではなく公に尽くすこと、そして。成り上がることを志し貪欲に学び、時代がそれを後押ししている。
さて、次に読む本が楽しみである。

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