ふと立ち寄った図書室で、最近、どこかで聞いたような…と思いながら手にとってカウンターへ。どうやらNetflixで映像化されて話題になったようだ。
さて、出会いとは奇なるものだと思うが全ては仕組まれていたとすれば納得する。偶然だと思ったことには、誰かのストーリーがある。
地面師たち、という物語を読み進めるとそのストーリーにページをめくる手が止まらなくなる。ドキドキワクワクしながら読書が面白いと思わせる時間となる。
騙されているうちが…とは、こういうことなのか、人が騙されて転がり落ちて行く過程の中で、騙す側から読むのか騙される側の立場に立つのかで、心のざわつきが違う。幾重にも重なる異なる登場人物の背景を読みながら物語が深くなり、深くなる事にそこへ落ちていく恐怖心が生まれてくる。
物語は、地面師という詐欺行為について、こんな方法で騙されるのかと思いながら読んでいくが、登場人物のストーリーから騙される側にも事情があって、うまくつけこまれて行くのだと思うと、ふと自分の周りで起きていることが、本当に偶然なのか?すでに自分も同様に騙されているのでは??と物語と現実が絡むから面白くて怖い。そして、悪党はどこまでも冷酷な悪党で、それに巻き込まれた仲間は葛藤しながら引きずり込まれてゆく。ちょっとした気持ちで、目の前のお金ほしさにの結果が招く結果にゾクゾクする。輪廻のように縁が人を引き寄せて、過去が捨てられず過去に生きるものと、過去にも何にも縛られず冷酷であり続けるものが、この先どうなるのかと読み進めるが、一応の結末はその先を想像しながら新しい物語を想起する。場面の変化に、ガラッと変わる状況設定が、次は誰の物語かなぁと読み進めるが楽しい時間となった。
さて、最後まで読み終えて、この物語には元となる事件が2017年に起きていたことを、解説から知る。それも自分の関わる場所の近くて起きている。記憶をたどると、なんとなくその当時、ワイドショーで取り上げられていた、「地面師」という聞き慣れない単語が思いだされる。遠いところで起こったとんでもない事件だと思っていたが、ここにきて今、この本を手にとって読んだことに…驚くとともに、誰かに仕組まれているのでは???と改めて怖さを感じた。寝れない夜に手にとって、さらに寝られなくなるというおまけつきの読書であった。



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