困った時のというのか、ある時ふっと読みたくなる、それが重松清の小説。何とも言えない言葉にならない心の中の声がすごく共感できる。さて、今回は図書館で手に取った一冊。読んでみて短編集だと知る。11の物語だった。
なんだろうか、元教員…時代の中でうまく適応できなくて、教師を辞めた主人公の物語を読みながら、いろいろ考えてしまう。今の時代とは何だろうか…本当に教えるべきことや当たり前は変わってしまったんだろうか…こうやって読みながら自分の中で呟いている言葉が重松の小説なんだよなぁと思う。
そして、家族と親子に関する物語が多い。それも、親の情けない姿を映し出すのだ…子供の頃は、あの頃は、強くて立派だったのに…という中で、ちょっとしたエピソードを絡めて、読んでいるほうがか書かれている文字よりもたくさんのことを考えてしまう。家族の問題も、問題じゃないところを問題にして書く、こうやって普段の生活の一部を重松清視点でみると物語になっちゃうんだなぁと思う。
人間模様を作り出し、「そうだよな」と納得できる物語にする。しかも、そこにいくつもの説明を加えて読んでいるほうを「うんうん」とうなずかせる。ドキドキハラハラじゃなくて…自分ならどうするんだろうか、そこで怒りたいけど、怒れない気持ちの方がよくわかるとなる。一つの人間模様にこれだけのストーリーをつけて、短編でちゃんと物語を完結するところがさすがだと思う。
そして、何よりも最後にちょっと「納得」しちゃう、まぁ、それでいいか、と思わせるところが決して内容は明るくないけど、小さな光を見いだせる。まさに人生ってそういうもんだよなぁと感じて文庫本を閉じることができた。
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