死の講義(橋爪大三郎)

How to

死んだらどうなるかを考えるために借りたわけではないが、ひょんなことから手に取った本。死について、いろいろな宗教を基に、死後の世界をどう考えるかを比較した本である。死は運命なのか偶然なのか…体験することは誰しもできるが、生きているうちには体験できない。突然やってきても悔いのないように日々を生きていくたのめに死について考えるという具合だ。

宗教のみならず、儒教のように国の在り方を考えた教えについてからも死について考える。そして、朱子学の考えから、平田神道と言われる平田篤胤は本居宣長の没後の弟子が、本居がなした国学を継承しながら、新たに、人間は死んで、黄泉の国に行くのではない。目に見えないが霊となる。とりわけ国のために命をささげた人々の霊は「英霊」として、この世界にとどまり続ける。そして、この国の行く末を見守り、加護してくれる。この考えが明治維新や世界大戦につながっていく。

英霊になるというので、鎮魂するために神社をつくり集めたものが靖国や護国神社となっていくというのは、初耳だった。靖国の歴史は思ったよりも短い。そして、宗教とは関係なく英霊になるということで、一方で亡くなった時は、仏教式の葬式が行われる。その葬式も、江戸時代に武士が仏教を利用して寺に戸籍のようなものを管理したことから始まり、宗派のないなかで生まれたところで寺が決まっていたので、どの宗派も同じような葬式をするということだ。

結果的には、多くのメジャーな宗教を2行にまとめ、自分がどれを選ぶのか。それを選ぶことで自分の死への考えを決めることで、今をしっかり生きろというメッセージでもあった。中学生にも読めると書いてあるだけに、読みやすい本で、宗教を社会学的に学ぶことができる一冊であった。

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