心理学をまじめに考える方法

心理学

 読み終えるまでに何ヵ月かけたのだろうか…。もう、最初の内容は思い出せない。物事を見るためには批判的な思考が大切である。

 その批判的思考は、これまで日本ではあまり教えられてこなかった。批判的というと、文句をいうというか、否定するというように捉えがちであるが、そうではない。自分の意見や客観性をもって、改めて考えなおすことで、否定することではない。そういうトレーニングを積んでこないと、本書の中にある、統計的にはほとんど起こらないが、身近で起こったことが、自分の判断を狂わせることがたくさんある。

 統計には個別の名前はない。集団に対しての確立である。ところが、自分の身の回りであればここに名前が入る。だから、現実的に感じてしまうのだが、個人は未確定な個人であり、集団となった時に初めて統計的な考えが意味を持つ。

 心理学は、大きなカテゴリーの中で、語られてきたが、多くの場面で検証された内容とされていない内容がまとめて扱われることが問題である。 

 本書の最後にあるように、経済学を学べば全ての人が億万長者になるわけではない。しかし、心理学を学べば人の心が手に取るようにわかるようになるのでは?と考えがちだ。ある非日常的な一場面を作り上げて実験がなされ、通常場面との違いを指摘される。しかし、学問体系としてはそういう一つ一つの積み重ねが大きな学問を作り上げている。その一つ一つの積み重ねを、追実験し、検証されていくことの大切さを本書は物語る。

 まさに、そのように一つ一つの話題に裏付けを記載しながら作成されているこういった本は本当に読むのに時間がかかるし、本の上で文字を追うだけになってしまうのは、私の未熟さであろう。そう考えると心理学をにおわせながらも検証されない内容を書いてある本はもっと簡単に読めて頭に残りやすい。しかし、それはどこまでいっても心理学ではない。

 自分でも何を言いたいかわからなくなってきたが、心理学はまだまだ若造でこれからの学問だと思った次第である。

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