ルビィ

小説

 久しぶりに感じる重松作品を読んだ後のこの感覚。どう文字に表現すればいいのか、冷たいような生ぬるいようなそういう自分でもどっちとも捉えれる感覚。こういうのを文字で表現できるようになると小説家にもなれたりすのかなぁ?とも思ってみたり。

重松清は本当にこういう体験をしたのだろうか?いや、してないと思う。どこかで自分と重ねながら小説を書いていくのがうまいんだろうなぁ。だから、空想の世界であっても物語の中に共感できる部分がたくさんある。事件を解決するわけではないし、感動的なことがあるわけでもない。でも、もっとリアルに人間の汚いところの中にある葛藤や、人には話せないような思いの中にある苦しさをしっかりと文字にしてくれる。

 自殺を考える小説家と、自殺をしてしまった少女が繰り広げる物語。最後はハッピーエンド?にはなりきらない物語。あぁ、重松作品だなぁ。

 命の大切さを考えさせて、でもそこにある葛藤を認めてあげて、カウンセラーみたいな小説だと思う。読みだしたらページをめくる手を止められない。また、重松作品読みたいけど、続けてだと浸りすぎてしまうから敬遠したい気持ちもある。こういう葛藤が人生をややこしくするんだろうなぁ。

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