ピエールとリュース

哲学

久しぶりに鉄筆文庫である。
である。と書きたくなるような一冊であった。
多分、鉄筆からでなければ僕の人生で絶対に手に取ることのない小説であった。
無知であるがゆえに価値もわからず、薄っぺらい恋愛小説に戦争や文学がからめられ男と女の関係の純粋性が書かれてはいるものの、何度も目を擦りながら読み終えたというのが本当のところである。
そして、もう一節あるかと思えるほど長い解説を読んで、ようやく鉄筆が復刻した理由を感じた次第である。こんなことなら解説から読めばよかった。
さて、喫茶店で、この小難しい小説に向かい合っているとたまたま博学の知り合いが現れた。何を読んでいるかを尋ねられたので、書名と著者を教えるとロマンロランですかと。
なぜ知ってるのと聞けば。世界史選択でしたからと。
僕も高校時代に世界史は習った。必修であった。しかし、全く知らず。そんな彼も代表作は間違えたものも、高校卒業からまもなく20年になろうとしているのでは?
まったく自分が改めて恥ずかしくなりましたよ。
こんな自分にノーベル文学賞作家の小説と出会わせてくれた鉄筆に改めて感謝である。
爆撃に倒れる柱の下敷きとなって亡くなったピエールとリュース。
昨日は熊本で大震災があった。自然も恐いが人の手も使いようでなお怖いものである。

コメント

タイトルとURLをコピーしました