モダン

小説

 読書日和が続く今日この頃。こんな季節は芝に寝転がって読書を楽しみたいものであるが、年度の変わり目はそうも言っていられない。原田マハの薄い文庫を手に取った。

 短編集である。キュレーターとしての経験を活かした作品である。リアルな部分が豊富なゆえに、なんとも小説らしからぬところを感じてしまうくらいだ。

 個人的には、もっと物語らしい物語を求めてしまう。ニューヨーク近代美術館(MOMA)をその舞台に繰り広げられる物語は、原田マハらしく史実と空想を織り交ぜたものだった。

 私も学生時代に、ニューヨークに行ったことがある。その時にMOMAに訪れたが、その大きさに驚く一方、美術品の価値や感動がわからずに、足早に歩いて、結果的には行ったという記憶しかない。
今の自分が行ったら違うのか?それとも同じなのか…。どうもそんなことを考えながら読んだ一冊だった。

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