暁星(湊かなえ)

小説

新聞の広告を見て、本屋大賞の候補作に湊かなえの小説が入っているのかと思い、図書室の人に読んでみたいと問い合わせると、ちょうど入荷するところだと聞いて借りることにした。

さて、読みだしてみると、宗教2世の物語。それもなんとなく安倍元首相襲撃の事件を思い出させる内容だった。なんとなく物語を読んでいく。なかなか読み進まない。そんな時に、司書から次に借りたい人がいるから早めにお願いしますといわれて、一気に読み切ることになった。

それは自身が宗教二世として苦しみ、それを恨んで教団の有力者である政治家を殺してしまったという内容だった。彼は、いかに自分が苦悩してその選択をしたかの手記を発表した。

彼の不幸の生い立ちを読みながら、本の半分も行かぬうちに、「終章」を迎えるものの、そこには『「金星」を読んだ後に読むことをおすすめします』と書かれているので、一旦お預けで、その先を読み始める。

段々と物語が絡み合う。あぁこれは湊かなえの小説だと感じるようになる。この「金星」は、何を書いているのだろうか?別の人である少女が同じ宗教二世で、犯人との関わりを書いているのかと思いながら読み進める。なんとなく二人の関係が付かず離れずの関係で…。何が言いたいのだろうかともいながら読み進める。

そうして、あるところで一気に物語が一つになる。「半分こ」お互いが描いた物語が、それぞれの思いを一つにする。そして、事件の真相に迫る。果たしてこれはどちらの罪と言えるのか…。こんな風に愛を伝えてよいのか。

もう一度、戻って改めて、暁の終章を読む。そのひとつ前のところを読むとようやく意味が分かる。フィクションか、ノンフィクションか、その二つの掛け合いが改めて面白い。

読み終えて、もう一度全体を考えて見えてくる仕掛けがいくつもある。さすが湊かなえだ。結局、最後は次に借りたい人がいるからという理由でなく一気に読み切れた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました