「木曜日にはココアを」の続編である。2冊一緒に購入したて、一冊目から継続して読み進めてきた。短編が重なり合い一つの物語になる。物語のスタートから、リレーのバトン受け渡しのように、マスターという人物がバトンとなり、登場人物たちの預かり知らぬところで受け渡されていく。
恋の物語がいくつか出てきながら、一つ一つの物語に心温まるエピソードが書かれている。登場人物の年齢は違うけど、その年齢に応じた考えや見え方があり、そんなものを積み重ねながら読み進むと、スタートにあった物語のバトンがしっかりアンカーへと受け渡されてい聞くのだ。
あぁこの言い回しが素敵だたぁ、その視点いいなぁ、温かいなぁ、なんて思いが湧いてくるから一つ読む度に心はすごくほっこりする。
一つだけ僕にとって余分だったなあと思うのが、猫の視点から書かれている部分で、猫の思いまで書かれると僕の中ではやりすぎだぞってと一旦本を置いて休憩する。そこは読者の好き嫌いであろう。
最後まで読み終えて本を閉じてしばらく余韻にひたる。読書後のこの時間がとても幸せ。安心してのんびり読み進められる小説でした。そして、こんなふうに現実の世界も誰かのちょっとした行いがバトンのように渡されていくのかなぁと考えても、当事者の自分ばそのバトンが見えないのは小説の登場人物と同じなんだろうなぁ。
私もマスターみたいな人になりたいな。
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