教育の力

哲学

 アドラーの本を読んで、教育の大切さを感じた。原因ではなく、過去ではなく、これからの教育の大切さを。さて、では、教育とはなんなんだろう?何のために、何を求めて教育はされるのだろう?

 それを考えずに、教育方法という手段の良し悪しは語れず。

 そんなわけで、「教育とは」を求めて、本を探すと図書館で出会ったのは苫野一徳の「教育の力」であった。さて、一冊の本を読んで、それに信奉するように、答えを求めてはいけないと思う。しかし、私は本を読みながら、本を信頼する傾向にある。批判的な読み方が苦手なのだ。すんなり受け入れながら読み進める。

 今回の内容は最後まで、公教育は個人が〈自由〉を獲得するために、他者との〈自由の相互承認〉をするための、〈公共の福祉〉としての平等性こそが、教育の目的であることを土台として、学力を「学び続ける力」と位置づけ、教育方法として「個別性・協同性・プロジェクト型」を基本とした考えが展開されている。しかし、常に二項対立には陥らないように書かれていることが、今の教育問題への提言でもある。最終的にはどちらかを選ぶ必要がありながら、どちらが正しいということはない。どちらがその状況にあっているかを常に考えることで、方法も手段も変化しても構わない。ただ、その時に方法論を支える原理をちゃんと知っておく、考えておくことが必要となることが大切だということだ。

 最終的には第一案でも、第二案でもない、ベストな第三案を作ればいいというが…。教科書として読むにはとてもすんなりと入ってくる内容も、今おかれている社会の中で現状と絡ませて考えた時には、そんなに簡単な問題ではない。

 とても読みやすく、道に迷った時に、一つの地図として読むには良い本だと感じた。

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