子どもが主役の学校、作りました。

教育

 世の中には、いろいろな学校がある。そして、日本の教育制度はそれをなかなか受け入れようとしない。それがよくわかる本である。

 「自分の子どもにどんな教育を受けさせたいか」このことを考える時に二つの軸がある。まずは親側の軸である。自分自身が受けてきた教育を受けさせるということだ。いい学校で、いい成績をとって、いい会社に入る。このパターンはこれからいつまで通用するのだろうか?現在すでに破綻しつつあるのにもかかわらず、相変わらず信者は多いし、自分もなんだかんだと言いながらも、自分の経験をもとに考えてしまう。

 そして、もうひとつの軸は子どもの未来を見据えてである。すると、自分と同じ教育を受けさせたのでは、生きていく社会が違いすぎると感じる。そして必要なものは何か?と考えると、教科として教えられているものではないのかもしれない。今回は自分の子どもが小学校に上がる際に、学ばせたことを公立学校や私立学校では教えてくれないということから学校づくりにチャレンジした体験談である。
しかし、文科省の認める学校とは、法律に縛られた学校のことで、まずはだれが作るのか、そしてどんな方法で定められたカリキュラムを教えるのか、など、戦後つくられた学校制度をそのまま引きずる法律のもとで認められた学校となる。

 著者は、最終的にはインターナショナルスクールをつくった。日本の学校制度では残念ながら小学校を卒業したことにはならない。それでも、その教育を選ぶ人がいるということに、私は驚く。親が必要だと思うことを教えられる教育の権利を行使しているわけである。まさに本気の子育てである。

 明治の頃に私塾として教えていたのと同じようであり、その頃は公立学校がなかったので私塾が広がり、のちの私立学校をつくっていった。だが、いま、私塾をつくっても学校とは認められないのである。なんだか頭の中が混乱するが、変わろうとしない教育行政への挑戦でもある。やろうと思えばここまでのことができてしまい、そして仲間は集い、運営ができるのだ。

 学校というものへの考えすら変わるような本であった。若干脚色が多いかなぁと思う部分が気になるのは別として…。

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