里親家庭で生活するあなたへ(山本真知子)

How to

 今回の本は、里親をする家庭で実子として育ち、実際に里親養育を身近に見てきた研究者が、その里子と里親の実子がもつ質問への回答集として作成された本である。里子や実子に向けた内容とそれの質問をされた里親と支援員へのアドバイスが書かれている。

 読んでみて、基本的には「児童相談所の職員や周りの人へ相談してみようという内容であった。困ったことへの対応については、社会的な法律の整備されたことがたくさんあるが利用するためには知識やステップが必要であるので児童相談所の担当者への相談が必要であることが書かれてた。また、里子と実子との関係や、地域の中で周りからの何気ない質問にどういう視点で答えればよいのかが、いくつかの例とともに書かれている。

 受け入れる前から、受け入れている時のこと、そして措置解除後や、措置解除後の里親の実子と里子の関係など、「あぁそういうパターンもあるのか、そういうことも考えておく必要があるのか」というようにその時々の家族関係や地域との関わりだけではない、縦の時系列で考えることができる一冊となっていた。

 私は里親についてとても興味がある・・・でも、「家族の理解」がなければ難しい。そして、何よりも家族の理解という前に、社会的な理解が日本ではまだまだされていないことが問題点として挙げられている。少子化対策というが、実子をその親が全ての責任を持って育てるというのは、そうあって欲しいと思っていても難しい。やはり子どもたちがどのような環境で生まれても温もりのある社会で子どもは育つことができるという環境が用意されていなければ、子どもは増えないと思う。地球規模では人口増加の中で日本は人口減で国力は落ちる一方である。社会のあり方自体を考えながら自分にできることを探したいと思う。

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