「トヨタの人づくり」トヨタ工業学園の全貌 (野地秩嘉)

ノンフィクション

トヨタの企業内学校であるトヨタ工業学園を取材した内容が書かれている本ではあるが、生徒の毎日を取材したというよりも、学園がなぜつくられ、どういう役割を担ってきたかについて、卒業生や指導者への取材をもとにまとめられている。

企業内学校ということで、通う生徒たちは給料をもらいながら寮で生活をしている。

トヨタがどんな人材を育てたいか。

そして、企業の中でどんな人間になってほしいか。

全ては人づくりが根本にあって、良い車が作れるという。

その原点を教えるのが、トヨタ学園である。

数字ではなく、車に乗るユーザーに喜んでもらうためにという視点を常に大切にする姿勢を教える。

仕事を通じてお金を得るのではなく、人から感謝されることが仕事をすることで得られる収穫であるということだ。

教育学校を出た教員免許を持った人が教員ではなく、まさに先に生まれ、先に生きたひと、先輩社員が技術や精神を次世代に伝えていくということがすごい。学校で生徒にわからないといわれたら、わからない生徒が悪いとなりがちではあるが、トヨタでは伝え方が悪かったと捉えて、教える側に変化が求められる。

学園について書かれているというよりも、卒業生がどんなふうにトヨタで学んだことを活かしているかという社員の話を盛り込みながら、トヨタの人づくりの心得が紹介されている。

もっといい車をつくる!そのために常に考えるひとを育てる。

そういうことが今のトヨタをつくり、それを支えているのは社長をはじめとするトヨタという企業である。

一部抜粋する

トヨタ生産方式をまとめた男、大野耐一は絶対に後輩を褒めなかった。「褒めるとは上からの目線だ。自分は絶対に褒めない。頑張れとも言わない。それよりも俺を驚かせてみろという。」

洋画家の中川一政の言葉

「他人に褒められても自信はつかない」「そういうものは自信とは言わない他人に褒められてつくのだから他信である。自信に大きな花が咲くのは見たことあるが、他信に本物の花が咲いたためしはない」

学校での指導法や取り組みについて書かれた部分がとても興味深く、一気に読むことができた。

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