ゼツメツ少年

読書記録

 読んでいて、なんのことだかよくわからず、本当に小説家は人からのエピソードの提供で話を書くのかと思ってしまった。なんの事はない。読み進めていくなかでやっぱり物語なんだと思った。

 いじめや家庭の事情、子どもを取り巻く問題に経験者ですか?と思うほどに息苦しい思いを書いてくれる重松さんが大好きである。

 そして、読者としてかつて読んだ小説で出会ったけど、遠くの記憶のなかで思い出せない登場人物に、すれ違い様に「あぁ」と思っても名前の出てこない普段感じる思いを重ねる。

 ただ、小説が終わるときに、この後はどうなるだろうと続きを読みたい、と言うか続きをおしえてくださいと思うことはよくある。作者にもその思いがあることを知れたことにもなんとなく満足できた。
そしてちゃんと伝えたい人や書きたいエピソードが隠されていることにも、作家の想像力が感じられる。

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