父からの手紙

小説

 本屋にふらりと入って、小説を探した。特にどれと決めいたわけではない。なんの用事で本屋に行ったのかも定かではない。ただ、父と娘の感動ミステリーという帯にひかれて手に取った。

 ミステリーだから、事件が起こる。読み始めてみると、父と娘の無上の愛が見当たらない。9年前に起きた事件と、娘の婚約者が殺された事件が平行して走り出す。しばらくはまさに平行で交わりあわない。

 二つの事件と、それぞれの当事者。関係者の関係者の過去のいきさつ。読んでいて疲れてしまうくらい話の道筋が見えてこない。さすが長編小説とあるだけのことはある。

 ようやく二つの事件が重なり合うようになってからの展開は早い。婚約者の殺人事件は、あれだけ引っ張ってきたのに…こんなあっさりと??と思うくらいだ。

 そして、無上の愛の証である手紙は…。現実離れしたもののように感じた。

 読むペースも上がらなかったところに、次の読みたい小説を見つけたのが原動力となり、最後まで一気に読み終えることができた。帯に期待しすぎてはいけない…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました