次に読む小説は何にしようかなぁ、とジュンク堂に寄って出会った本である。文庫本の夏の読書コーナーに平積みにされていた。表紙から見てラブストーリーかなぁと思いながら通り過ぎる。そして、帰ってきてやっぱり気になって購入することとなった。
どんな爽やかなラブストーリーが描かれているのだろうかと読み始めると、どうもまったく透きとおってない。なんなら事故に、不倫に、と濁った単語がいくつも出てくる小説家を巡る物語である。病死した小説家の遺作を探していく物語。何人もの愛人がいて…こんな風にみんなから愛される男とはどんな人なんだろうと思いを巡らせる。
なんとなくミステリーじみていて、犯人はだれだろうと考えながら、ミステリー作家の遺作を探すことがミステリーなのかと安っぽい推測しかできない自分である。でも、物語と現実がなんとなく交差しながら話は進んでいく。そして、結末は…完全にネタバレになっちゃうのでこれ以上はやめておこう。
読書でもこういう体験ができるのかぁと思う。心の叫びを言葉の入る「 」に括って。どんな本だった?と聞かれて一番説明のしにくい一冊となった。電子書籍で本が読める時代ではあるが、僕もやっぱり紙の本を持ち歩いて広げるのが好きだなぁ。
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コメント
こんばんは。
自分も「世界でいちばん透きとおった物語」読みましたよ。
トリックに驚きました。
そのうえ最後まで飽きることがありませんでしたよ。