星がひとつほしいとの祈り

小説

 この本を手に取った理由ゆえにかもしれないけど、切なくなる短編集だったなぁ。いけない恋の終末というか、でも望まぬともそうなることもあるじゃないかと、切なさの中に考える。読み終えて思うことは、原田マハさん、なかなか面白いってことかな。ホームページのプロフィールから、すごい道を直感と度胸(←本人曰く)で歩んできたんだなぁと、感心してしまう。努力家なんだろうなぁ。正直者なんだろうなぁ。

 この小説のいずれにも嘘はないように思う。そう感じてしまったんだから仕方ない。だから、切なくなる。答えの出しにくい問題提起で、その先にある答えはご自分でどうぞって感じがする。どれが一番…そう言えないのが短編集。どれもそれぞれに違う景色を見せてくれる。そう、まさに実際の街がちゃんと物語に溶け込んでいる。方言がそう、情景がそう、川や駅の名前がそう、僕もそこに行ってみたいと思わせる。実際に、その場所には訪れた人たちのいろんな物語があって、これはその1つが書かれているんだと思う。そうやってちょっとしたきっかけが、止めどなく大きな世界を見せてくれるし、自分の思いを膨らませてくれる。

 さてさて、この本にしようと言ったあの子は読んで何を感じるんだろう…それもこの物語のように、ご自分でどうぞ…私は問題提起まで、なのかしら?

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