ヨイ豊

小説

さて、読み終えました。芥川賞ノミネート作品の一つ。
最初はとっても読みづらかった。なんで、こんなに面白くないのが選ばれたんだろうって。
しかし、やっぱり最後まで付き合ってみるもんですね。
途中からしっかりと引き付けてくれました。
江戸末期の浮世絵師たちの物語。
名前を継ぐだの継がねえだの。
時代の変わり目をしっかり写した小説でした。
ひとつの仕事が時代と共になくなっていく。それでも時代を飾った仕事には簡単にはなくならない意地がある。
江戸文化もしかり、心意気も同様なのかもしれない。
その時代には大量生産の機会が多くの仕事を奪っていった。
今の時代も同じである。人間は機械化のなかでどんどん自分の首を閉めているのだろう。
いつまで今の仕事があるだろうか。
夢見る未来は夢でしかないのかもしれない。本人以外は他人事で、自分が便利になるならそれでいいと、思う向こうになにが待つのだろう。
日本はまさに時代の節目。
選ぶのか選ばされるのか、このままでは許されないのが浮き世ですね。
なんとも寂しい気持ちになりました。

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