神の棄てた裸体-イスラムの夜を歩く‐(石井光太)

ノンフィクション

どんな順番で読んだらよかったのかわからないが、借り物の本の最後の一冊。ノンフィクションでアジアの貧困や人身売買、売春や薬物…別の世界のように読みました。なんだろうなぁ、筆者が実際に真面目なのか、そりゃこういうところには書けないからそこだけはフィクションなのか?そういうところを突き詰めたくなるけれど、さすがにそういう環境だと身を案じるのかなぁと男の弱さも認めざるを得ない。

何冊か読んでみて、結局は日本人は思ったよりも幸せであるということだ。生きようと、身体を売り、薬物でごまかしながら、それでも生きようとする人たちがいる一方で、生きることすら諦めてしまう人がたくさんいるのが日本である。

警察が市民を食い物にする国があるが、日本だって、一旦停止を見張っている警察官は一般市民を食い物にしているとしか思えない今日この頃。いろいろなことを考えながら自分ならどうするのか、そもそも自分ならこんなところに行く勇気はないだろうなと思いながら、別世界のように考えて読んでいる自分がいかに平和か。

別世界のように感じるのは、今回はイスラームの国の話でしたが、戒律が厳しくて、でもやっぱり人間で、性欲もあるけれど、女性はすごく虐げられていて、治安も悪く、そういう環境を受け入れている現状に、読んでいて矛盾や憤りを感じてしまいました。日本人にとってほんのわずかなお金で救われる人たちがたくさんいるんだと思う一方で、そんなわずかなお金を目当てにして傷つく人たちもいると思うと…読み終えて切なくなりました。

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