子どもが心配 人として大事な三つの力 養老孟子

哲学

2022年5月5日

 養老孟子の本はとっても勉強になる。今回は子どものことに関するお話ですが、4人の人との対談集である。ご時世であってコロナ禍の対談なのでネットでの対談もあったようである。解剖学者の養老さんですが、なんでこうもすんなり言葉が入ってくるのか…。著名人との会話の中でしっくりくる話をしてくれる。

 まずは、第一章「ケーキの切れない非行少年たち」を書いた宮口幸治さんとの対談である。子どもの感情との向き合い方を話してくれる。第二章は小児科医の高橋孝雄さんとの対談。「ああすればこうなる」というのがとっても身に染みる。子どもは子どもの人生で大人の人生のやり直しではないと考えさせられる。第三章では、脳科学者で理学博士の小泉英明さんとの対談。脳科学による非科学的な神経神話が行き過ぎていることでの弊害を語る。自然の中で育つことがいかに大切かを理解できる。最後は第四章、自由学園の学園長高橋和也さんとの対談。自由学園とは…こんな学校が100年の歴史を持って、教育という変わらない問題に向き合ってきたのかと思うと頭が下がる。子どもたちが自ら動く教育というか、学びたいという心を育ててくれる学校なんだと思う。こういう学校が一条校として存在してきたことに驚きと感謝を思うのだ。

 読み始めると、メモしたくなることがたくさんあるのが、養老孟子の著書である。共感するところがとても多い。「人間が人間であることが大事」という考えがとても自然で、自然なことが当然であると考えさせてくれる人である。ぜひ、長生きして何冊も著書を増やしてほしい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました