個別最適化の教育

教育

 納得しながら読めるものの、周りにある現状を考えながらだと、気持ちが重くなる本である。
教育に携わるひとのどれくらいの人がこれを理解できるのだろうか。時代は変わろうとしている。その変化を止めることができない。

 自分の過去の記憶を思い出す。高校時代に体育服が短パンからハーフパンツに変わった。自分のいる1年間は体育祭では短パンを履くことになるので、新たにわざわざ買うことはないとのことだった。そして、体育祭当日、短パンを履いていたのは私一人だった。教員の予想をはるかに超えたニーズは状況を一変させたのだ。

 体育服くらいは、どうでもいい。でも、教育方法や学校が変わるとすれば、笑い事では済まない。
ところが、学校という古き良き時代を生きた外の情報を学ぼうとしない教員は、こういうことが全く理解できずに、持続的なイノベーションを続けようとする。イノベーションしようとする気持ちがあるならばまだ救いがあるが大半は新しいことを始めない。

 そして、持続的イノベーションでは学校は変わらないし、社会が変わる瞬間は着々と近づいているということだ。

 書かれた内容の実践が全ての学校で通用するとは思えない。刷り込んで詰め込んでとされてきた学び、まさに勉強をさせられてきた子どもたちにとっては、最初、受験以外の学ぶことの価値が見いだせないのではないだろうか。本書の中で大切で最初に行うこととしてあげられる、「一人も残すことなく一緒に学ぶことが得である」ということをどう理解させることができるか…。

 動いてしまえば簡単そうだが、動き出すまでは、まさにコロナのような社会的状況を変えるほどの何かが襲ってこないと、学校という文化はなかなか変化しない。

 そして、早く気付いた学校は生き残り、多くの学校はその役目を終えるのかもしれない。

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