龍神の雨

小説

 最初は、なんだか同じような兄弟と場面がコロコロと変わって登場人物も似たような感じなので頭の中で???となっていたけれど、その二つの兄弟が出会い、そして一つの物語として重なっていく。

 どちらも本当の親ではない親子関係に問題を抱えて。真実と勘違い、思いと思い違いが重なり合って、ストーリは進んでいく。そして、表と裏の顔を持つ登場人物が、物語をぐっと面白くする。ゾクゾクしながらページをめくるこの感じがとてもよかった。でも、なんともやりきれない物語の終わりは、そこまでしなくてもいいのにと思ってしまい、しばらく後をひく。ちょっと気持ち悪い性も絡みながら、進められていく物語にどっぷりとハマりました。

 真実は如何に!!という場面がたくさんあり、人により同じことを違う捉え方をし、心の深いところで絡み合う人間描写に力強さを感じることができた。

 あぁ、小説は面白い。小説だからそう言える内容だった。

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