でーれーガールズ

小説

 勝手に春の読書週間2冊目です。原田マハさんの小説はさらさらとした文章がふりかけられていくような感じがする。ハキハキとしたと言うのか、さっぱりとしたと言うのか、ダラダラと長い文書はあまりなく、読んでいてリズムがいい感じだ。

 今回は高校時代の親友との思い出と現在を行きつ戻りつしながら物語が進んでいく。岡山弁を丸出しにした小説である。きっとマハさんも岡山出身だろうなぁなんて思いながら著者紹介をみると東京出身とある。解説まで読んでやはり高校時代は岡山で生活して居たことや、その頃の思い出と重ねながらの物語であることがわかりスッキリ。

 人気漫画家となった卒業生を母校の創立記念日に講演者として呼ぶところから始まるこの物語は過去の自分や友達との関係、そして漫画家となるきっかけを30年という時間を越えて一つの物語にしている。高校生の恋心と不思議な恋の三角関係はマンガであり現実であり、時間と空想が縦糸と横糸のようにひとつになたっていた。

 ちょっと予想外で切ない終わり方はなんとなく理不尽でもったいないような感じがした。人生なんてそんなものさと言ってしまえばそれまでである。

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