職業としての小説家

エッセー

ちょっと読書に没頭できる時間を頂けることになった。
人生にはそういうこともたまにはある。
いくつかの本を読もうと思って準備していたわけだが・・・。
そういうときに限って薦められる本がある。
今回がそうである。
村上春樹と聞いてこういう巡り合わせかと素直に受け取った。
以前にも書いたように思うが彼と河合隼雄先生の対談形式の本に引き込まれたことがある。
奇遇にもこの本にも河合隼雄は登場する。
村上春樹はカウンセラーとしての素質を持っているように思える。
自分の感覚を大切にするのだ。
そして、その感覚に巻き込まれずに距離がとれる。
僕はフォーカシングという心理技法を学んだことがあるが、まさにそういう感じがするのだ。
小説を書くという作業を綴っているのだがそれは自分の感じの変化を客観的にとらえる作業をしているように読み取れる。
ああ、そうかこうやって物語はできるのか。
読んでる途中に高校生と話す機会があった。
村上春樹は読んだことがないという。
君にはまだ早いよ。もっといろんなことが落ち着いてから読むべきだと僕はいう。
迷える子にはどんどん迷いを与えるように思ったからだ。
実際にはわからない。
しかし僕自身のなかでは、変化を見せる作家である。
体の内側に語りかけられているように思うのだ。

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