相談される力 誰もに居場所をつくる55の考え (廣瀬俊朗)

エッセー

 新聞の広告欄に、この本の紹介が掲載されていた。図書館にいってみると置いてなかったので選書希望を出すと、所蔵に加えてくれた。さて、廣瀬俊朗といえば、ラグビー元日本代表で、キャプテンを務めた選手である。ドラマ化された「ノーサイドゲーム」や、ニュース番組にコメンテイターとして出演している。

 そんな廣瀬さんの著書を読むのは二冊目である。私は基本的にラガーマンの書く本は、熱がこもっているものが多く、読み始めると一気に読み進めてしまう。ところが、廣瀬さんの書く本はどうも自分の中に入ってこない。面白くないというわけではない、わかるわかると言う内容であって、心を揺さぶられるという感覚にならないのだ。

 どうしてだろうと思いながらも、読み進めていく。すると、なんとなく「心の底の言葉が相手に届く」と章を読んでいて理由がわかったように思う。廣瀬さんの書く本は、自分を俯瞰してというか、話していないんだと言うことがわかる。本来は大阪弁で、湧き上がる感情を吐き出すようなことがあるそうだが、著書にはそれがない。それがないどころか、借りてきたような言葉を使っているようにさえ思う。きっと、言葉で話して伝えるときには、その単語を使わないよね??と感じてしまうのだ。

 とにかく、こういう文章が好きな人もいるだろうが、私には合わなかったと言うだけのことだ。内容もすごく納得できる。できればもっと、愚直なまっすぐな言葉で書いてくれたらと思う。How to 本ではなく、一つ一つにエピソードがあり、本人が感じたことや、チームメイトの言葉とともに、ラグビー選手の頃からを振り返って書かれた内容であった。

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