地を這う祈り(石井光太)

ノンフィクション

この著者の本を何冊か頂いて、時間のある時に読んでいる。もう何冊目だろうか。今回の本は写真が多く、読むのに時間はかからない。しかし、とても気持ちは重くなる。目を背けてはいけないと思いながら、文字の間にある写真は文字の印象をさらに深く心の中に沈め込む。文章ではこれまでの著者の本を読んできたが、「百聞は一見に如かず」とはまさにこのことで、写真だと全く印象が違う。

著者も書いているが、私たちがよく目にする貧困国の住人達は、私たちが見ても不快にならずに、しかし、寄付を集められるような写真である。ほんの一場面を探して掲載されているのだと思う。もちろん、この本の中にある写真もそういう操作がされていると思うが…それでも、ポスターや教科書にあるものとは伝えようとする内容は違う。

読んで、見て、知ることは大切であるが、では何ができるかという何もできない。自分が幸せな世界で生きているということを噛みしめるばかりである。知ってしまったが、何もできない。情けないが現実である。自分の国がこうならぬように、今の平和な日本を、豊かな資源を守っていかなければと思うばかりである。

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