クスノキの番人(東野圭吾)

小説

久しぶりの東野作品だった。ミステリーということで読み始めたけど、なんだか様子が違う…。最初は泥棒で取っ捕まった青年が更生していく物語?なんて言ったら安っぽくなっちゃいますね。

 願掛けすると願いが叶うなんて噂のクスノキの番人をすることになったのだけど。果たしてクスノキってどんな木なんだろうと気になるくらい。大きなほこらがあるようなクスノキってどれだけ大きいのだろう。そんなことを思っていたら割と近くに大くすの木があることを思い出して見に行ってみた。

樹齢1000年を超えるクスノキだったが、確かに大きい。これがこの物語の題材になったのでは?と、勝手に想像してしまったくらいだ。

話がそれたが、物語だよなぁと思う展開がいくつもありながら青年の成長していく姿が心地よい。いつの間にか名探偵かとも思えるし、気づいて変わっていくことで周りにの見方も変化していく。周りを変えるのではなく自分が変わっていくことの大切さと、受け継がれるものの大切さが程よいバランスで物語が作られる。

最後は恋の話もセットかと思わせといて、話は違う方向へ。続きはご想像にお任せなのがまた上手い。

やっぱり東野圭吾はすごいなぁと改めて思える小説だった。千舟みたいな叔母さんが居たら変われるのかと言ってちゃだめだね。きっかけを自分のものにできるか否かは自分次第。

コメント

  1. 神崎和幸 より:

    こんにちは。

    自分も「クスノキの番人」読みましたよ。
    親子や血のつながりなど、いろんなことを考えました。
    そのうえ主人公の成長する姿を良かったと思いましたよ。

    きっかけを自分のものにできるか否かは自分次第、というお気持ちわかります。

    • なま より:

      コメントをありがとうございます。読書を通じて感想を伝えあえるというのはとても素敵なものですね。うれしくて仕方ありません。

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